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宮川の独り言 -55話-

独り言

2022年12月05日

宮川の独り言 -55話-

皆さん、こんにちは、アシストエンジニアの宮川です。本当に早いもので今年最後の独り言となります。

皆さん今年は、良い年でしたでしょうか?世界情勢的には、ロシアのウクライナ侵攻、久々の急激な円安、物価高などで大変な一年だったのではないかと思います。電気・ガス料金などの値上げもあり、またリアルな電力不足で、ニュースで節電を呼びかけそのニュース番組では『節電のおり照明を暗くして放送しています。』というMCの説明などもあり、異様なこの冬となりそうです。しかし、その後に各地のイルミネーションが映し出され、『綺麗ですね。そうですね。見に行きたいです。』とやり取りする同じMCというおかしな現象も日本ならではと思うと、少し悲しい気がします。(正直、馬鹿っぽいやり取りですよね。)毎年、物凄いイルミネーションを飾る我が家のご近所さんも今年も昨年以上に気合が入っている様です。

 さて、今年も、ものつくり関連に関する多くの不祥事や失敗の話題がありました。HN自動車の試験データ改ざんやM電機さんの品質不正などの不祥事とJAXA『イプシロン』打ち上げ失敗や『おもてなし』の月面着陸失敗などです。試験データの改ざん・品質不正は、皆さんのご想像のとおり、問題は二つです。そもそも、品質が担保できない技術的な問題。もう一つは、問題をOPENに出来ない社内体質・コンプライアンスの問題です。

 技術的な問題は、製造・技術立国ともてはやされて、今でも日本の技術が一番だと思っている事で、既に海外に品質管理などで後れを取っている事に気が付かない事。これは、大きな問題だと思います。ほんの一例ですが、未だに3DA(正しい幾何公差)の運用が出来ない・していない・する気もない会社が殆どで(我々がお客様から感じる事実)この状況を変えていこうと時間やお金を使わない多くの製造業が目立ちます。(一部、自動車関連や海外とのやり取りを行っている会社は、今年あたりから真剣に取り組んでいる様に思います。)

 もう一つの社内体質・コンプライアンスについては、本来自分の仕事がどうあるべきか?会社は、どうあるべきか?を個々人が考えていれば、何が悪い事かの判断ができ、悪いことは悪いとレポートを上げればいいだけのことなのですが、なぜか出来ない。環境のせいなのか?長い物には、巻かれろ的な日本人の体質なのか?または、そういう人材をこの日本が多く作って来てしまった教育のせいなのか?本当に問題だと思います。言いたいことが言える社会になれば、このコンプライアンスの件も変わってくると思います。(静岡の幼稚園時、虐待の件もこれにあたります。)

 宇宙事業の2つの失敗も品質やMBSEの運用などが改題なのでしょう。USでは、スペースXの様な一般企業が人間を宇宙に簡単に打ち上げられるのに、日本は国をあげてのプロジェクトでさえも上手く行かない。これも日本の技術立国への奢りかもしれません。ものつくりをシステムとして明確に定義し、誰にでも各仕様と各課題・問題とその因果関係がわかるMBSEを駆使するという考え方が染みついていない事で起きる現象の様に見えます。ものすごく精度が高く加工ができるとか、目に見える技術が凄いと思いがちですが、今の製品は、それ以前にソフト・ハード(電気・メカ)がどのようにかかわっていくのかを明確に定義し、見えるかすることが重要だと早く皆さんに気が付いていただきたいと思います。当然、自動車系の方々は、既に実行されていると思いますが。。

 来年は、欧米の景気も悪くなると言われていますが、日本は、今以上に悪くなることは無いでしょうから、多少仕事が落ち着く可能性がある来年こそ、欧米に追い付くように製造業の皆様が変化できます様にお手伝いが出来たらと思っております。

来年もよろしくお願いいたします。では、少し早いですが良いお年を。

㈱アシストエンジニア 宮川